こんなに誰かを好きになったのは、初めてだった
【intoroduction】
1986年から翌年まで別冊マーガレットで連載され、全4巻で700万部という驚異的な発行部数を誇る、紡木たくの「ホットロード」。十代の頃に出会って以来、何度も手に取ってバイブルにしている世代はもちろん、主人公に共感する若者たちによって時代を超えて読み継がれている不朽のコミックが、ついに映画化された。母親に愛されていないのではないかという寂しさを抱えて生きる主人公の和希を演じるのは、今最も注目を集める若手女優、能年玲奈。彼女だけが持つ透明感を生かし、ヒロイン、和希を演じ切っている。
和希が惹かれていく不良少年、春山役に抜擢されたのは、本作が映画初出演となる三代目J Soul Brothersのボーカル、登坂広臣。原作者の紡木たくが今回映画化を承諾したのは、原作の和希に伝えたいメッセージがあったためで、それが映画化のきっかけであったが、能年と登坂はそれを可能にした存在。紡木はどちらが欠けても実現はなかったほど、ふたりが揃うのを待った。監督は『ソラニン』『僕等がいた(前篇・後篇)』『陽だまりの彼女』などのヒット作を手がけ、恋愛青春映画の名手として高い評価を得ている三木孝浩監督。原作と同様、世代を超えて愛される尾崎豊の名曲「OH MY LITTLE GIRL」が、原作の世界観を彩っている。
ふたりの純愛だけでなく、母と娘の愛をみつめた、命の再生の物語。 |