あの頃の僕は、大体が不機嫌だった——。
【Story】
若者を中心に絶大な人気を誇るバンド“CRUDE PLAY”=クリプレ。ボーカル&ギターの坂口瞬(三浦翔平)、ギター=大野薫(水田航生)、ドラム=矢崎哲平(浅香航大)、ベース=篠原心也(窪田正孝)の4人で成るクリプレは、デビュー以来、音楽シーンのトップを走り続けている。その全楽曲を手がけるのが、サウンドクリエイター・小笠原秋(佐藤健)だ。かつてはクリプレのベースを担当していた秋だがデビュー直前、音楽プロデューサー・高樹総一郎(反町隆史)の手により、自分達の演奏を他の一流スタジオミュージシャンのプレイに差し替えられたことにショックを受け、クリプレを脱退。ベースの座を心也に譲り、自らは影からクリプレを支えていくことを決心したのだった。
それから5年。秋はクリプレはもちろん、美貌と確かな歌唱力で人気の歌姫・茉莉(相武紗季)の曲も、高樹のゴーストライターとして手掛けるなど順風満帆な活躍を続けていた。だがその心は常に満たされない。実は秋の恋人の茉莉が、高樹とも密かに関係を持っていること、あまりにも安易に“消費”されていく日本の音楽シーンの実情。すべてが秋を苛立たせるに十分だった。
そんな秋の前に、突然彼女は現れた。マッシュルームのような髪型をした小柄な女子高生・小枝理子(大原櫻子)。茉莉と別れ半分ヤケになっていた秋の、気まぐれなナンパ…のはずが「一目惚れしちゃった…です」と逆告白する理子。そんな理子に思わず「小笠原心也」と嘘の名前を告げる秋だったが、理子がクリプレの熱狂的ファンと知りますます本当のことが言えなくなる。しかも茉莉のトラウマから「歌う女、嫌いなんだ」と、さらなる嘘をつく秋。実は同級生とバンドを組み、歌うことが大好きな理子が、その言葉に思い悩むことになるのも知らずに…。
ある日、秋の嘘は衝撃的な形で暴かれることになる。偶然理子の歌声を聞いた高樹が、理子と理子の同級生・君嶋祐一(吉沢亮)、山崎蒼太(森永悠希)の3人を“MUSH&Co”(マッシュ&コー)としてデビューさせることを決定したのだ。高樹はマッシュのプロデュースを秋に要求するが、かねてから高樹の音楽への姿勢に強い反感を抱いていた秋はそれを突っぱねてしまう。一方、秋の嘘を知った理子は驚きつつも秋を受け入れ、2人の付き合いは続くことに。
その日の夜、初めて理子の歌声を聞いた秋は、そのスペシャルな歌声に瞬く間に魅了され、プロデュースを辞退したことを激しく後悔する。だが時はすでに遅く、高樹はマッシュのプロデュースを心也に依頼していた…。
秋と理子を取り巻く状況がめまぐるしく変わっていくなか、ある決定的な事件が起こる。そして理子の未来のため、秋は最後にまた1つの嘘をつくことを決断するが…。 |