母の想いを遂げるために1972年へタイム・リープ!
…するはずが、間違えて1974年に。どうする!? あたし!!
<STORY>
母・和子が薬学者として研究を続けている昭徳大学に合格した高校3年生の芳山あかり。母とはまるで姉妹のような彼女には、世界中を飛び回る映画カメラマンの父・長谷川政道がいるが、幼い頃に別れたきりで父親との思い出は記憶にはない。ある日、和子は幼馴染みで、長年彼女に想いを寄せる浅倉酒店の吾朗から、近所の洋館に住む老人から託されたという、あるものを渡される。それは、見知らぬ男子学生と並んで写っている、世田谷西中学校の彼女の写真とラベンダーの花。38年前、土曜日の実験室で起こった出来事の記憶を思い出そうとした瞬間、和子は交通事故に遭ってしまう。
深い昏睡状態に陥った母の姿に激しいショックを受けるあかり。そんなあかりに、吾朗は人の運命について興味深い話をする。1974年3月3日、秋田県能代行きの深夜バスが山から転落し、多くの命が奪われた。吾朗はそのバスに乗る予定だったのだが、運よく災難から免れたのだという。吾朗から「芳山くんは強運の人だから、絶対に目覚めるよ」と励まされたあかりが病室へ戻ると、和子が目を覚ます。しかし和子はうわごとのように「1972年4月の土曜日。深町一夫に会うため、中学の理科室に行かなくては」と動かない体を無理に起こそうとする。母を落ち着かせるため、あかりは「あたしが代わりに行く!」と言い、母から深町の写真と研究室の鍵を受け取る。再び昏睡状態に陥った和子との約束を果たすため大学の研究室に向かったあかりは、机の中にある彼女が開発した薬を飲み干し、土曜日の実験室にタイム・リープするよう強く念じるのだった。
時空の狭間をかけ抜けたあかりは、無事に土曜日の実験室にやってきた。だが、念じ間違いから、1972年4月の世田谷西中学校実験室ではなく、それから2年後にあたる1974年2月の昭徳大学にタイム・リープしていることを知り、愕然とする。しかも、眼の前には深町一夫ではなく、溝呂木涼太という大学生がいた。携帯電話を見せ、映画監督志望の涼太を自分が未来から来た人間であることを納得させたあかりは、一緒に深町一夫探しを開始。中学を卒業し、横浜にある高校に進学していた母・和子を発見するものの、すでに彼女の記憶から深町の存在は消されていた。さらに、和子には涼太の映画でカメラマンを担当するゴテツこと、長谷川政道という意中の人がいることを知る。若き日の母と父の恋の行方を温かく見守るあかりだあたが、彼女自身にも変化が訪れていた。四畳半一間のボロ・アパートに同居し、「神田川」よろしく銭湯に通い、映画製作を手伝ううちに、あかりは涼太に恋心を抱き始めていたのだった。その後、深町探しに行き詰まった2人は新聞の尋ね人欄に「深町カズオ 3月2日土曜中学実験室にて待つ」という記事を掲載する案を思いつく。
3月2日。中学の理科実験室で待つあかりの目の前に、はるか未来からやってきた深町一夫が現れる。和子ではなく、娘のあかりが自分を呼び出したことに驚く深町は、38年前に自分と和子に起こった出来事をあかりに伝える。そして、記憶を消しても、生き続ける和子の自分への想いを噛みしめるのだった。使命を終えたあかりのタイム・リープに関するすべての記憶を消そうとする深町に、「最後に遭いたい人に会ったら、必ず未来へ帰る」と誓うあかり。だが、涼太は映画の完成を前に、脳卒中で倒れた父のため、実家のある秋田へ帰ろうとしていた。吾朗から聞いたバス転落事故の話を思い出したあかりは、涼太を助けるため、新宿のバスターミナルに向かうのだった…。
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